氷河期男の咆哮

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ダル、オコエに続け!高校野球界を席巻する注目選手

 夏本番、高校野球の季節ですね。ダルビッシュの活躍によって外国人の血を持つ、日本人選手にはまったく違和感がなくなり、昨年からのオコエフィーバーも記憶に新しい中、今年も注目の高校球児がどんどん現れています。

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ダルビッシュよりも前にプロ入りした日系選手

 今でこそ当たり前のように見られる光景ですが、10年前には高校野球で横文字の選手がラインナップされていることは考えられないような時代でした。僕の記憶では先鞭をつけたのは日章学園の瀬間仲ノルベルト選手ではないでしょうか。

瀬間仲ノルベルト - Wikipedia

 ブラジル人の血を引く野球留学生である彼は、2002年夏の選手権で高校生離れした特大ホームランを放ち観衆のド肝を抜きました。一躍脚光を浴び、中日ドラゴンズに指名されプロ入りまで果たしましたが、活躍は叶いませんでした。それでもあのホームランを覚えているファンは多いのではないでしょうか。

 ダルビッシュ選手が甲子園の話題を独占したのはその翌年です。優勝こそ逃したものの、準優勝1回、ノーヒットノーラン1回と決して本調子ではない中、凄まじい潜在能力を見せつけました。女性ファンに腕を引っ張られて負傷したり、喫煙問題を週刊誌に抜かれたり、グランド外でも高校生離れした注目を集める選手でした。

 3年春の対済美戦「メガネッシュ」こと真壁選手が逆転サヨナラホームランを浴び、9回裏4点差を跳ね返され敗北。打球がダルビッシュの頭上を悠々と越えていくシーンは伝説のシーンとして今後も語り継がれていくでしょう。

ダルビッシュ2世

 その後のダルビッシュ選手の活躍は述べるに及ばないでしょう。野球界における「外国人の血を引いた日本人選手」の地位を確固としたものにし、ファンはなんの違和感も抱かなくなりました。長身痩躯の投手はみんな「ダルビッシュ2世」と呼称されるようになったことも象徴的です。そして2005・2006年の甲子園で注目されたのがインド人の血を引くダースローマシュ選手。甲子園に愛されなかった男として記憶に残っているファンも多いでしょう。

ダース・ローマシュ匡 - Wikipedia

 2年夏、3年夏と同じように大量得点差をひっくり返されて逆転負け。苦い思い出となった甲子園ですが、その後ダルビッシュと同じ日本ハムファイターズに指名され、プロ入りしました。プロでは勝利を上げることができず2011年に戦力外通告を受け、2013年の時点では「ダルビッシュミュージアム」の館長を任されたそうで、本人のツイッターでも確認できますが、以降は更新が途絶えています。

 同時期に活躍し2005年のセンバツで山形県勢初の4強入りの原動力となったのが片山マウリシオ選手。小柄な投手でしたがガッツ溢れるプレースタイルとベビーフェイスで女性ファンの黄色い声援を一身に集めていました。これらの選手の活躍が約10年前。現在活躍する選手たちに夢を与え、その活躍の土壌を開墾したのは間違いなく彼らでしょう。

そしてオコエのスーパーキャッチへ

 その後、目立った活躍をする選手が出ませんでしたが、2015年夏、伝説が生まれました。関東一対中京大中京、初回。味方投手が責め立てられ、いきなり二死満塁の大ピンチ。痛打された打球はオコエのはるか頭上を襲い、抜ければ3点のビハインドは確実の場面。落下点へ一直線に向かうオコエが超人的なプレーで捕球し、その後奪った1点を守り切り1-0で関東一が勝利しました。

 このプレーをはじめ1イニング2三塁打、決勝ホームランなど大暴れしたオコエはドラフトの注目選手となり楽天へ入団しました。筋骨隆々とした体躯は従来の高卒選手像とはかけ離れ、貧打のチーム事情もあって開幕1軍入りしましたが、さすがにプロの壁は厚く、弾き返されました。しかし、徐々に対応力を見せつけ、じっくり経験を積めば、次代のトリプルスリー候補の期待が膨らみます。

浦和学院、公立高校に敗れる衝撃

 そして2016年夏。スター候補生が予選を沸かしています。埼玉県では甲子園常連校の浦和学院が4回戦で公立高校に敗れる大波乱。その主役を演じたのがメンディス海選手。8回を0封し1-0で逃げ切りました。どこまで勝ち上がれるか注目です。スリランカ人の血を引くサウスポー投手で背丈は176cmと決して大柄ではありませんが、まだ2年生。来年以降も期待されます。

 愛媛県予選で甲子園ベスト4の経験がある第一シードの川之江をジャイアントキリングしたのはアドゥワ誠。ナイジェリア人の父と、実業団のバレーチームでプレーした母の血が流れる身長196cmの大型右腕。こちらはすでにプロ9球団が視察に来るようなドラフト候補。活躍が待たれます。

 真打は名門横浜高校の1年生万波中正選手でしょうか。コンゴ人の父と日本人の母親とのハーフで16歳で190cm、90kgのプロ顔負けの体格で入学時からオコエ級と注目の的。その実力を見せつけたのは神奈川県予選3回戦。ハマスタのバックスクリーン直撃の推定135m弾を放ち、プロのスカウト達を絶賛させています。

 激戦区の神奈川県だけに5季連続出場は極めて困難ですが、これから、1学年上の早実、清宮選手と共に甲子園の主役を演じることになりそうです。

 

 

 

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