その自虐ぶりは神々しくさえもある(ポンコツズイ)他2冊
ポンコツズイ
再生不良性貧血というドラマか小説の設定でしかお目にかからないようなそしてご本人自らもそう思っていた方の闘病記です。
イメージできると思いますが、最悪死に至る病です。かんたんに言うと血液が固まらない病気で難病指定されています。
働き盛りの30代女性に突然降りかかった悲劇ですが、著者は徹底して作中道化を演じている。それだけに辛いことがより辛く感じさせられます。
兄弟にドナーを断られたり、元雇い主にクソミソに言われたり、患者仲間が亡くなってしまったり、出産を諦めざるをえなくなったり、世界中の不幸を掃除機で集めているかのようで読んでて辛い。
せっかくドナーが見つかって骨髄移植したら心不全で死にかける。死ななくても死んだ方が楽なような症状に苦しむ。
先生、もう苦しいの無理。もう嫌だ。もうなんにもしなくていい。
ね、もうなんにもしないで。
この心強き方が言うこの弱音には落涙しかけた。闘病生活を支えてくれる著者の友人、タトゥー職人のエピソードは超ステキです。本当に生きておられてよかった。
深刻極まりない状況を徹底してユーモラスに表現するスタイルは「こんな夜更けにバナナかよ」に通じるものがある。
「生きること」それを第一義とした本を読むと、ある種のカタルシスを得るように思えます。名著。
怒れるおじいちゃん(日本病――長期衰退のダイナミクス)
いやーめっちゃ怒ってますこの著者。「時代遅れの軍国主義」と安倍首相大っ嫌い。「アベノミクス」と呼ばれる実体のない無意味な政策を丁寧にひとつひとつ「これダメあれダメ全部ダメ」と全否定しています。
目新しい提言とかがあるわけではないんですが、非常に丁寧に現政権のダメ出しをしてくれているので、とてもわかりやすいですよ。
わが子が理系の扉を開けるために(ちっちゃな化学)
理系離れが叫ばれて久しい。「だるまちゃんしりーず」のかこさとしさんと生物学者、福岡伸一さんがこのような状況を危惧して、親たちへアドバイスしてくれています。
理系と文系の垣根を早期の段階で分けることのナンセンスさや、理系軽視になってしまったことへの考察、また、タブレットなどの機器と子供たちはどうあるべきかという
お二人の考えなど。なかなか興味深い本です。